書籍「科学者たちが語る食欲」
この書籍では「人間は、なぜ食べすぎてしまうのか?」を追求した話になっています。
科学的に「食欲」について語られている本は、少ないです。
今回は書籍「科学者たちが語る食欲」をご紹介をしていきます。
注意事項
いきなり注意事項もおかしいですが、勘違いしやすい内容なので先にお伝えします。
文中に出てくる「炭水化物」という言葉
実はこれ、一般的に僕たちが考えている炭水化物ではありません。
炭水化物と聞いたら=ご飯のイメージが強いと思います。
ただここで言う炭水化物は、糖・デンプン・食物繊維の総称と記してあります。
つまり本や、この記事に出てくる炭水化物とはハチミツ、果物、野菜、穀類、豆類、牛乳だと思ってください。
また今回の記事では、人によっては不快に思われる内容の記載があります。
少しでも過激な表現が苦手な方は、「戻る」を押してください。
あらかじめご了承下さい。
この著書のポイント
この著書のポイントは「なぜ人間は食べすぎてしまうのか?」です。
ただ、それを紐解くには抑えておくべきポイントが2つあります。
※少し引用します。
第一に、動物は「「自分にとって何が最適か」という基準で、食べるものを決めているのだろうか?
第二に、もし何らかの理由で最適な食餌を摂るとき、何が起こるのだろう?
著書:科学者たちが語る食欲より
少し難しいので変換します。
動物→人間も含めています。
第一に言いたいことは、「なんの栄養素が人間にとって最適か」ということ。
第二に言いたいことは、「その最適な栄養素を摂るとき、どんなことが起こるのだろう」ということです。
この二つを理解することで、「食べすぎ」の理由が分かります。
仮説:【たんぱく質】ファースト説

日本では馴染みが少ないですが、昆虫の食欲は凄まじいです。
つまり食欲を調べるには昆虫がうってつけなわけです。
ここからは、著書研究者の話を引用します。
私たちはコオロギの一群が幹線道路を横断する様子を5日続けて記録した。
著書:科学者たちが語る食欲P.36
コオロギが車に轢かれると、その真後ろのコオロギが立ち止まって死骸を食べた。
そして車に轢かれた。
どうやら、足のくるぶしの高さまで死骸が積み重なったらしいです。
ただ、その幹線道路には、目の前に豊富な草があるのにどうして死骸を食べたのか?
食べるものは、他にもあったそうです。
そこで、コオロギの大群にエサを与えました。
なんと炭水化物には目もくれず、たんぱく質を含むエサのみを食べたそうです。
これは、バッタでも同様の内容が見られました。
バッタの内容は、少々過激なのでこの記事では控えます。
つまり、この研究で分かったことは一点。
動物はたんぱく質を優先的に摂るのではないか?という仮説ができたことです。

人間ではどうでしょうか。
人間での研究(結論)
本来なら人間で研究する場合「自己申告」をとります。
ただ今回は、正確に測るために協力者に4日間施設に泊まってもらったそうです。
研究内容は以下です。
1~2日目の食事内容(第一回目)
:肉・魚・卵・乳製品・パン・野菜などのビュッフェ形式
好きなものは好きなだけ食べられる。
食べたものは、炭水化物・たんぱく質・脂質などの含有量が調べられる。
3~4日目の食事内容(第二回目)
:高タンパク質だけを食べていいグループと、高炭水化物だけを食べていいグループに分けられる。
食べれる幅は狭まるが、量は好きなだけ食べていいという形式は一緒。
そして人間での研究結果の内容は、以下になります。
第一回目も第二回目も食事の総摂取カロリーに対して、たんぱく質が18%に近い値で食事を摂っていたということ。
この18%は、あらゆる生物での実験をした結果とほぼ一緒だそうです。
そして第二回目のみに、焦点を当てるとこうなります。
つまり人間自身が、たんぱく質の摂取量に合わせて食事の量を変えているという結果です。
ここで冒頭で触れたことに戻ります。
人間は何が最適で、最適な食事を摂った時どうなるのだろうか?
→人間にとってたんぱく質が一番である。
→たんぱく質が確保される時、たんぱく質の摂取量に合わせて調整している。
これが著書のポイントです。
他書籍との違い
他の本との違いは、
- 食欲について多く書いている
- 独特な著書の面白さ
です。
食欲について多く書いている
「食欲」について書いてある本は、少ないです。
多くの本は、肥満や病気のことを多く書きます。
※批判じゃないです。
この本は言うなら、人間はなにを基準に食事をしているのか?
なぜ、必要以上に体内に食べ物を運ぶのか?
を書いた本です。
もちろん前述した「たんぱく質」が関わってきます。
ただ、面白いのはそのたんぱく質を合わせるように食べる背景が書かれていることです。
多くの本とは違ったアプローチで、同じ結論に至ることの面白さがこの本には書いてあります。
独特な著書の面白さ
この本の面白さは、
・アメリカンジョーク
・たんぱく質がなぜ大事か
・現代人とホモサピエンスとの違い
が書かれていることです。
アメリカンジョーク
この著書には、アメリカ人ならではの比喩表現が書いてあります。
※著書は海外の方です。
その比喩表現を訳している櫻井祐子さんが、またうまく訳しています。
読書を違った視点で楽しめる本でした。
たんぱく質がなぜ大事か
著書には、他にも「なぜたんぱく質なのか?」が書いてあります。
炭水化物や脂質では、ダメだったのか?
実験と共に記載してあります。
現代人とホモサピエンスとの違い
以前僕もホモサピエンスの記事を書きましたが、また違う着眼点です。
ホモサピエンスからなぜ人間は変わってしまったのか?という部分に触れて書いてあります。



あとはストーリー仕立てで、書いてあるように感じました。
詳しいことは、本にも書いてあるのでぜひ読んでみて下さい。
「科学者たちが語る食欲」を読む理由
正直どの本も多くの人に読んでほしいですが、絞ってお伝えするなら、
- 「別腹」で、ついつい何か食べる人
- お菓子やアイスが好きな人
には、おすすめな本です。
あなたは、自分で食事を摂っていますか?
「はい」と答えた人は、読んだ後は「いいえ」に変わってるかもしれません。
その面白さがこの本にはあります。
まとめ
・人間の食欲は「たんぱく質」を基準に駆り立てられている
・多くの本とは違う切り口で、一緒の結論に導いている
今までついつい、口にモノを運ぶ癖があり、今でもやめられない人。
あなたは食事を「している」のではなく、食事を「させられている」のかもしれません。
その悪い習慣を、これから変わろうとしている人には、おすすめな本です。
気になる方は、ぜひ読んでみて下さい。
それでは、このへんで。




コメント